最終的には、キャリア制度をやめるしかないだろう

今回の森友問題の削除前の起案文書で分かるのは、近畿財務局などのノン・キャリアの職員は、法令に沿ったきちんとした対応をしようとしていたことだった。

その意味では、ノン・キャリアの国の職員は、評価されて良いと思う。なぜなら、彼らは政治家等とは関係ないからで、きちんと対応しているのである。私は、そのことには安心した。

だが、たぶん今回の森友学園の文書を改ざんしたのは、本省のキャリア官僚の判断によるものだと推測される。

なぜなら、彼らは官邸をはじめ、内閣人事局のご意向を考慮しなければならないからである。私は、そうしたキャリア官僚の姿勢を批難しない。なぜなら、彼らにも人生があり、文科省の元前川次官のように退職しても生活に支障のないらしい人とは異なるからである。

では、どのようにすればよいのだろうか。

私は、現在のキャリア、ノン・キャリア、つまり上級職や普通職の採用制度そのものを止めて、一括採用し、適当な時期に内部で試験をして上級に行く者を決めれば良いと思う。

まことに恐縮だが、職員数2万人を超える横浜市役所では、そうした一括採用の後、係長への昇任試験をやって上級職への昇任候補者を決めているからである。

キャリア制度は、もともとは軍隊の参謀制度から来ていて、一部の指揮者で方向を決め、全軍を動かすには都合の良い制度だと思うが、昔と今では国民の教育水準が違うと思うのだ。

戦前のノモンハン戦で、ソ連・モンゴル軍の指導者だったジューコフ将軍は言っている。

「日本軍は兵士はよく戦っていたが、将校は無能だった」と。

だが、今は、まったく違う状況で、国民と指導者との間に大きな知的水準はないと私は思う。

まぜ、絶対にそうはならないと思うが、この際提案しておく。

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