樋口源一郎と松川八洲雄

今日のフィルム。センターの追悼者は、共に記録映画監督の樋口源一郎と松川八洲雄。
結果は、意外にも樋口の方が面白く、期待した松川は余り面白くなかった。

樋口作品は、『女王蜂の神秘』と『粘菌の生活史』
どちらも、微細な生物の生活、一生を細かく追ったもので、大変面白かった。
蜂の社会の不思議な仕組み、巧妙にできている個体の変化など。
粘菌は、碩学南方熊楠が研究の成果を明治天皇にも献上したので、有名である。
実に不思議な生態だった。

松川作品は、『鳥獣戯画』と『土くれ』だが、詩的というのだろうが相当に高踏的で面白くなかった。
特に、『鳥獣戯画』は大変有名な映画だが、音楽が相当に変で、邦楽を使い、民俗的でもあり、現代音楽的でもあり、また部分的にはジャズという変な音楽だった。
間宮芳生にしては随分混乱した音楽だと思う。

地下鉄で浅草橋に行き、きわめて庶民的な中華料理屋で軽く飲んで帰る。
浅草橋は、東京のはずれであり、私が育った東京の南端の蒲田と良く似た雰囲気で、とても良い町である。
大変暑い一日だった。

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