『椿姫』

シネマ・ベティで1週間限定で、ソフィア・コッポラ演出の『椿姫』を上映しているので見に行く。

椿姫、トラヴィアータは、パリの高級娼婦のヴィオレッタと富豪の息子アルフレードとの悲劇で、新国立劇場のオペラで見たこともある。

また映画で見たものだが、イタリアのフランコ・ゼフィレリの演出のは、相当に豪華絢爛たるものだった。

日本でも昨年上野の東京文化会館でも公演があったらしいが、これはローマでの公演を撮影したものだが、驚くほど普通でごくあっさりとした表現。

会場で見ていないので、歌は分からず、歌手たちの歌唱力は凄いようだが、それは感動にはならない。

原作や元のオペラには、当時は卑賎な人間とされていた高級娼婦など、下層の者への評価と社会への批判精神があるようだが、いまさらそう言われても感動するのはなかなか難しい。

となると、やり様としては、ゼィフレリ演出のように、豪華にして驚かすしかやりようはないように思う。

特別な表現意図がないように思えるのに、なぜソフィアは演出したのだろうか、私には分からなかった。

ただ、ヴィオレッタのプリマドンナは、美形で随分と痩身だったのは、やはり映画にするためだったのか。

普通、プリマドンナと言うと巨体女性が多く、

「ライザップに行ってダイエットしてきてください」と思えるのだが、これだけは評価できた。

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