北京オリンピックの聖火ランナーのリレー問題が話題である。
言うまでもなく、この聖火リレーが始まったのは、1936年のベルリン・オリンピックからである。
ベルリン・オリンピックの、レニー・リーフェンシュタール監督の記録映画『民族の祭典』の冒頭のシーンは、ギリシャの丘で太陽から反射鏡で火を採り、古代人のような裸の人間が松明を持って走るところである。
ベルリン五輪の聖火リレーのコースは、ギリシャから東欧を通ってドイツに来たが、後の第二次世界大戦でドイツが東欧、ギリシャを侵略したときの進路であり、戦争のためにやったという説もある。
ベルリン五輪で始まったものには、記録映画もある。
『民族の祭典』は、やらせでも有名で、日本の2選手が銀と銅メダルを分け合った棒高跳びなど、いくつかのシーンは再現して撮影された。これは、競技が夜間になってしまい当時のカメラでは撮影できなかったからだが。
また、望遠レンズや高速度撮影カメラ等の機材も、このときのために開発されたものである。
レニー・リーフェンシュタールは、ナチスの党大会の記録映画『意思の勝利』も撮っている。
このニュールンベルグの党大会においては、イベント、そして宣伝映画制作のために大会会場を建設したと言うのだから、ナチスの宣伝政策はすごい。
ゲッペルス宣伝相は、映像と音楽の力を熟知していたのだ。