三船敏郎の度量の大きさ 『大忠臣蔵』

UHFで三船敏郎の『大忠臣蔵』を放映している。
もちろん、三船プロの製作で、東宝系のスタッフによって作られていた。
と、思っていたら、監督に村山三男や西山正輝の名があった。
この二人は、大映の監督だったが、当時次第に監督できなくなっていた人たちだった。
三船敏郎が、三船プロを作ったのは、自分の作りたい映画を作ることだったが、同時に当時進んでいた東宝等のスタッフの首切りへの同情だった。
三船は、非常に心やさしい人間で、
「長年一緒に映画を作って来た人をすぐに首切れない」と東宝の古いスタッフを自分の会社に受け入れたのだ。
私は、東宝の人だけだと思っていたが、テレビ映画だが、村山のような他社の監督たちにも手を差し伸べていたのだ。
三船敏郎がますます好きになった。もちろん、人間としてであり、会社の社長としてはどうかなとは思うが。

余計なことを言えば、私は「忠臣蔵」の物語が好きではない。
たった一人の高齢の吉良上野頭を殺すために、47人もの人が行くのはおかしい。
第一に一番悪いのは、吉良上野頭ではなく、殿中で刃傷に及んだ浅野内匠頭の浅はかさである。

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