引揚者住宅だろうか

先日見た、森崎東版『野良犬』は大したことのない映画だったが、ロケーションは結構丹念にやっていて、横浜の珍しい情景が沢山出ていた。
中でも、犯人の友達の少女が住み込んでいる「女子寮」は木造の大きなアパートで、今まで見たことのないものだった。
遠景に見える倉庫の感じからして、多分鶴見区小野町あたりにあったはずの「引揚者住宅」だと思う。

戦後から、昭和30年代中ごろまで、首都圏にも「引揚者住宅」という木造の大きな共同住宅があった。
また、多摩川の河川敷には、乗合バスを改良した「バス住宅」があり、数家族が居住しているのが京浜東北線の車内から見えた。
私の記憶では、東京の住宅事情が、飛躍的に良くなったのは、東京オリンピックが行われた1960年代中盤からであると思う。

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