1959年、岡本喜八監督、上原美佐、宝田明主演の石坂洋次郎原作の青春映画。
岡本のその後の経歴を見れば、珍しい青春映画だが、それなりに「変化球投手」らしく画面は凝っている。
中身は、東京の県人会で出会った上原と宝田の恋だが、東宝なので、明るく上品で、楽しく出来ていて、松竹大船映画とは大きな差がある。
他に、山田真二、水野久美ら、さらに若手で星由里子、田村奈美、後にスリー・ファンキーズになる手塚茂夫らも出ていて、にぎやか。
主演の上原美佐は、ルックスは岸恵子似だが、台詞が凄い。
さぞや岡本喜八も困ったことだろう。
彼女は、黒澤明の『隠し砦の三悪人』で、偶然発掘されデビューしたとされている。
だが、それは宣伝用の嘘で、日活の『緑はるかに』のオーディションも受けた一人なのだそうだ。
言うまでもなく、そこには主演の浅丘ルリ子をはじめ、桑野みゆき、山東昭子、滝瑛子、榊ひろみらの、日本中の美少女がいたらしい。
上原美佐は、結構東宝の作品に出ていたが、すぐにやめる。
今なら、トークショーの「ボケキャラ」になれたようにも思うが、賢明な選択であったと思う。