徒労の日

阿佐ヶ谷のラピュタに行き、井上梅次監督の『可愛いい悪魔・殺しの前に口付けを』を見るが、大愚作だった。
昔から、井上梅次は好きではなく、だが偶然見た宝塚映画での『第六の容疑者』が素晴らしかったので、もしかしたらと見に行くが、面白くもなんともない駄作の典型だった。

人気歌手の汎文雀が、友人を誘惑する悪人の色事師ぶりを暴くため、罠に落ちたふりしてベットまで行き、逃げるが、そいつが殺される。
製薬会社の産業スパイ事件が背景だが、何も面白くなく、役者たちの喜劇ぶりがばかばかしいだけ。
唯一の見せ場は、汎文雀が下着姿になるだけ。
彼女は、スタイル満点だったが、意外にも裸になったことはなく、水着姿も日活の『野良猫ロック・ワイルドジャンボ』のみ。

だが、さすが井上、サスペンスものの定石はきちんと押さえていて、一番怪しくない男が犯人。
犯人が何人も出てきは、違うところなど、まるで今テレビでやっているサスペンス番組そのもの。
その意味では、井上梅次はテレビでも先駆者だったのか。
それにしても、汎は歌が下手。これだけ下手なのも珍しい。

日本映画界に偉大な足跡を残した井上監督に合掌。

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