『浅草の灯』

戦前の松竹蒲田を代表する作品の1本。
舞台は、大正期の浅草で、オペラの連中の話、中心は西部劇スターのような男っぽい上原謙で、アクションスターのような活躍をする。
新進オペラ歌手の高峰三枝子の貞操の危機がドラマの中心で、高峰を狙う小林十九二、その仲を取り持つ一座の代表山内光の妻は、なんと杉村春子で、得意の歌も披露する。

結局、高峰は、絵描きの卵の夏川大二郎と結ばれ、上原謙は、射的屋の女の坪内美詠子と一緒になり、めでたしめでたし。
彼らの仲間で、笠智衆、逆に小林の側の悪役で、河村黎吉などのいつもの連中。
馴れ合いのいい加減さが快いというのが、蒲田映画ファンだろう。
私は、ファンではないので、それほど心酔できなかった。

それにしても、録音のひどさとセットの貧弱さには参る。
その伝統は、製作中止までずっと歴史的遺産として続いていたのだろう。

衛星劇場

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