食品表示法の厳格化で、サケ弁当として売られているものの多くが、実はサーモントラウトなので、サケ弁当ではなくサーモントラウト弁当にしないといけないとの問題がおきるかもしれないと新聞等が報じている。
そこまで厳格に法を適用する必要はないと思うが、そもそもマスは、鮭の祖先なのである。
昔々、その時々の地球の気候変動によって海水面が上下し、その結果日本海は何度か湖や海に変化した。
その時、日本海でマスが鮭に変化した、つまり淡水魚から海水魚に、さらに寒冷気候への適応性を獲得し、北半球全体に広がったのだそうだ。
だから、鮭は産卵する時は、祖先のマスと同じように川を遡上し、淡水で卵を産むとのこと。
「個体発生は、系統発生を繰り返す」との法則に沿っているわけである。
だから、マスも鮭も分類学上は同じである。
故西村三郎先生の『日本海の成立』(築地書館)にカナダ人学者の説として書かれていることである。
では、昔と言っていつごろかと言えば、今から約500万年前、鮮新世の頃のことだそうである。