1967年に作られた和泉雅子主演の日活映画、監督は吉田憲二で、彼の作品ではATGでの『鴎よ、海を見たか、めぐりあい』がひどかったので、心配したが、これはとても良い出来だった。
北海道岩内の日野道夫と望月優子の長女和泉は、中卒でビール工場で働いている。
炭鉱夫だった日野は、ろくに働かず、一家は最低の生活。
その中で和泉は、前向きに生きているが、ある日急に歩けなくなり、そこからは難病映画になる。
吉永小百合の難病もの『愛と死を見つめて』が1964年に大ヒットしているので、和泉雅子でも難病ものをという発想だったのだろうが、意外にもきちんとしたつくりだった。
相手役は山内賢で、彼も中卒で造船所で働いている。
撮影が姫田真佐久なので、モノクロの映像が非常に美しい。
病気の原因は当初不明だが、札幌の大学病院の医師岡田英次によって、血管の腫瘍が脊椎を圧迫しているものと分かり、手術が行われる。
結局は歩くようにはなれず、一時は絶望して自殺をくわだてるが、山内や岡田、さらに女医福田公子らの励ましによって明るく生きていくことを示唆して終わる。
この頃の和泉雅子は、本当の美少女だった。
チャンネルNECO