ドラマ『ルーズベルト・ゲーム』が終わった。
日曜日は、プロ野球のナイターもないので、だいたい毎回見た。
『半沢直樹』に次いで面白かったと思う。
だが、このドラマの面白さは、最終回で、江口洋介社長の会社の大株主で女性不動産会社社長のジュディ・オングが、野球部の試合途中での気合の入れ方を見ていて言う、
「くさいわねえ」
の面白さである。
そのとおり、このドラマの面白さは、その演技、脚本の「くささ」である。
歌舞伎の坂東三津五郎や市川中車が重要な役を演じていることにわかるように、そのくささは歌舞伎的なものであり、かつての大映テレビ室の「赤いシリーズ」や「スチュワデス物語」と同様のものである。
これらに重要な役割を演じていたのが、大映の監督増村保造である。
彼は、これらシリーズの総監修、パイロット版等の監督を勤め、あまりの忙しさで急逝してしまった。
だが、芝居と言うものは、本質的にくさいものであり、おかしなものである。
なぜなら、毎日ロミオはジュリエットと恋におち、二人は毎日死ぬ、こんなおかしなことはないと言ってよい。
その点は、映画やテレビは、その撮影、収録された時のことなので、違うといえば違うのだが、演技の本質は同じである。
見ていて唯一気になったのは、山崎務のあまりにもすごい老い方、それに坂東三津五郎の異常なやせ方である。
彼の体は本当に平気なのだろうか。