スペイン映画で、1940年、スペイン内戦が一応終了した時の話。
主人公の女性ペピータは、コルドバから刑務所に入れられ妊娠している姉オルテンシアのために、姉の同志を頼ってマドリツドに出てくる。
裕福な家庭の家で、メイドの仕事をするが、主人は元医師で、共和派だが、妻は二人の弟を共和派に殺されたことで、共和派を憎んでいる。
彼女の父は軍の幹部で、フランコ派である。この辺の家族の複雑さも面白い。
オルテンシアが収容されているところは、カトリック教会のシスターが運営するところで、極めて厳しく、またキリスト教を強制してくる。
スペイン内戦では、キリスト教会が大きな役割を果たしたと言うのが、よく分かった。
受刑者の女性もいろいろな人がいるが、オルテンシアの夫で、共産党員の男も、文盲と言うのには少々驚く。
最後、女性たちはいい加減な軍事裁判で、即決死刑になり、オルテンシアだけは、出産後に処刑となる。
もちろん、姉は銃殺されてしまう。
一方、ペピートは、秘密の連絡を交わした中で、共産党員の若い男と恋仲になるが、彼も逮捕されて投獄される。
終わりのナレーションで、19年後に釈放され結婚したことが告げられる。それまでに二人が交わしたキスは、3回だけだった。
スペイン内戦もの映画は結構あり、無条件で肯定する人が多いが、私はその派ではないが、この作品は結構実態をきちんと描いていると思う。
K’sシネマ