『大江戸七人衆』

1958年、東映京都で作られた娯楽大作、市川右太衛門、大友柳太郎、東千世之介、大川橋蔵、尾上鯉三郎、伏見扇太郎、南郷京之助らが出る。

                                                    

これが善玉の七人組で、貧乏な旗本らしい。対するのが、薄田研二のご隠居を頭領とする金持ち連中のきじん組で、実質的な悪の親分は山形勲。

このきじん組と言うのが、どういう名前から思っていた。まさか奇人組ではないと思うと、鬼神組だった。

ともかく、この善玉、悪玉がウロウロして戦うだけの話で、馬鹿馬鹿しいと思えばバカバカしく、面白いと言えば面白い。

薄田研二などは、やたらに口を動かしていて、遊んでやっているのがよくわかる。

1958年は、日本映画が、ワイド・サイズになった時で、東映は大友柳太郎の主演で『鳳城の花嫁』を作り、ヒットして成功し、日本映画はすべてシネスコ・サイズになった。

この時の笑い話に、シネスコ・サイズになるとスタッフの数が倍加したと言うのがあり、その理由は見物人除けなどのに人が要るからだだったそうだ。

同時に、役者も多く出せば画面が埋まるという幻想もあり、この映画は、明らかに役者を増やせば何とかなるという考えでできている。

残念ながら、七人も出ているが、やはり市川右太衛門、大友柳太郎、東千世之介、大川橋蔵らにしかドラマはない。

もちろん、善玉組が勝ち、悪玉は幕府上層部から処分されて終わるが、大友柳太郎と脇で出ていた千原しのぶは、殺されてしまい、その墓前でのシーンがラスト。

音楽が、深井史郎で、タイトルは非常に重厚だったが、その後はかなり軽快だった。

ともかく若さがないのが最大の欠点で、この時期の日活の石原裕次郎、小林旭とは大きな違いである。

フィルムセンター

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