『酔っぱらい天国』で、津川雅彦は東京ファイターズというプロ野球球団の投手の役で、実際にユニフォーム姿で、後楽園球場のマウンドに立ち、投球するシーンがある。
それをテレビの解説席で、話している人が二人いる。
誰かと思ってタイトルを見ると、飯島滋弥と小篠菊雄アナウンサーだった。
飯島は、主に東映で活躍した外野手で、現役時代は見たことはないが、当時ではかなり解説の上手い、むしろしゃべり過ぎ気味の解説者だった。
この人で有名なのは、東映でのコーチ時代に、大杉勝男に対して、「月に向かって打て」と言い、この一言で大杉が打撃開眼したというエピソードである。
小篠アナウンサーは、スポーツ中継が主だったと思うが、音楽番組やニュース等も担当していた有名な方だった。
いずれにしても、二人ともそれなりの人気があったので、映画でも使われたのだろう。
この時期、小津安二郎の『秋刀魚の味』の大洋・阪神戦の場面のように日本映画には、よく野球のシーンが出てくるが、やはりプロ野球の人気があった証拠だろう。