江戸川乱歩かエラリー・クイーンか理論で、推理小説の禁じ手として超能力を使ってはならないがあるが、この映画は禁じ手のオンパレードで、問題の解決法が全部超能力的な力なのだ。
日本のシナリオ教室で、こんな筋書きを書いたなら、即没にされるだろう。
21世紀フォックスともあろうものが、と思う。よほど企画に詰まっていたのだろうか。
ニューヨークにいきなり異星人の球体が降ってきて、セントラルパークに落ちる。
突然、集められてきた学者の目の前で、軍隊が攻撃するが、球体から巨大なロボットのようなものが現れ、さらに人間みたいな異星人が出るが、これがキアヌ・リーブス。
人間ではないことがいろいろと説明されるが、なぜか信じがたい。
こうして筋を書いていても非常に虚しい気がしてくる。と言うのも、解決策がすべて超能力的で、論理的な説明がつかないからだ。
70年前にチベットに降りて生きてきた中国人風の老人なども出てくるが、ただそれだけ。
要は、自然環境を守れというメッセージを言いたいらしいが、そんなものを映画で言われたくない。
本当の時間の無駄そのものだった。
もっとも、最新の地球物理学によれば、将来80億年くらいすれば、地球のプレート・テクトニクスは止まり、それによって地球の自転も止まり、最後は分解し宇宙に飛散してしまうのだそうだ。
その頃は、私も知り合いも生きていないので、関係ないが。
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