高校時代、私も創作劇をやったことを思い出した。
芥川龍之介の南蛮もの小説『奉教人の死』で、3年生が脚色して公演し意外にも好評だった。
芥川は、筋や人物が明確で、最後には落ちもあるので、やって面白い。
考えれば、高校演劇の脚本の素材はいくらでもある。
安易に創作劇をするのは、感心できない。
再び書くが、「等身大劇」は、実は大変難しい。
小津安二郎や成瀬巳喜男のような、日常的演技の映画は、映画会社の俳優以外は、杉村春子や東野英二郎、森雅之ら名優を使っているのを想起すべきだ。
高校生が、高校生を演じるのは実はとても難しいのである。
演技は、自分より遠い役を演じる方が本当は、簡単なのだ。