知り合いが関係しているので、東京芸術劇場に行き、「オペラ・ガラ・コンサート」を見る。
劇場の下層部の演劇ホールには何度も行っているが、コンサートホールは初めて。
これが非常に大きい。新国立劇場も、東京文化会館も、座席数ではここよりも多いようだが、劇場の空間がやたらに大きい。
イタリアやルーマニアから歌手を招いてのコンサートだったが、この広さでは、少々かわいそうだった。
女性は日本の歌手も出たが、バリトン、テノール、バスの男は全員外国勢。
女性歌手は、着物で『蝶々夫人』を歌ったが、八千草薫の二倍くらいの堂々たる体躯。
近年のレベルの向上で、女性歌手は日本も相当なものだが、やはり男性歌手では、外人の迫力には敵わないようだ。
中では、ステファン・フォン・コルフというテノールが最高だった。
言ってみれば、非常にいやらしそうな男で、夜は六本木に行って女性を漁るという感じだった。だが、歌うことが楽しくて仕方がないという風情はさすがと思えた。
いつの都政の時に作ったのか知らないが、本当に東京都はお金持ちなんだなあと思った。