『竜馬を斬った男』

これも、それなりのスタッフを揃えながら、ひどい結果になった映画だと思う。横浜のシネマジャックにポスターがあって、「どうかな」と思っていたが、やはりそうだった。

美術と製作が西岡善信、脚本は中村務、監督は山下耕作、撮影が森田富士郎と京都の時代劇のベテランを集めての作品だが、全体にひどく軽い時代劇である。

冒頭に、萩原健一の佐々木只三郎が、清河八郎を斬るところから始まる。

佐々木が、清河を斬る話は、篠田正浩監督の『暗殺』で描かれていて、これは木村功の佐々木が、謎の人物丹波哲郎の清河八郎を斬るに至ったもので、篠田の映像感覚が優れていた作品である。

さて、今度の作品は、この清河八郎を斬ったところから始まり、根津甚八の坂本竜馬を斬るところがメインの映画である。

いろいろと様々な人物が出てくるが、結局は萩原健一の「一人芝居」なので、彼の演技が面白しろいか否かで決まってしまう。

私は、もともと一人芝居が嫌いなので、愉快には思えない。

1987年の作品で、監督の山下耕作の他、根津甚八、佐藤慶、内藤武敏らは既に亡く、藤谷美和子や中村れい子らは、芸能活動はしていない。

こんな映画もあったんだなと思う。

衛星劇場

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