トリフォー監督作品だが、本当はオムニバス映画で、ドイツ、フランス、ポーランド、イタリアそして日本の監督による合作作品。
トリフォーのこの編は、内気な青年の主人公ジャン・ピェール・レオが、マリー・フランス・ピジェに失恋する話。
特にどうということもないが、レオの勤務先がレコード工場で、LP制作の手仕事的手順が紹介されるのが面白い。
フランスをはじめ欧州の工業製品は意外にも手仕事的方法で作られているのだ。
この『二十歳の恋』の日本編の監督は、なんと石原慎太郎東京都知事であり、題材は東京小松川の女子高校生殺人事件だったが、作品自体は余り評判は良くなかった。
小松川事件は、当時日本の社会に大きな衝撃を与えた事件で、大島渚も映画『絞首刑』で描いている他、大江健三郎も小説にしているはずだ。
さらに、ポーランド編は、アンジェイ・ワイダの監督で、『灰とダイヤモンド』の主人公マチェックのチブルスキーが、戦後の若い世代に違和感を持つと言う話で、なかなか秀作だったと思う。
是非、全部をまた見てみたい。