ケイヒンの京浜ふ頭のトヨタへの売却問題が起きた時、港湾局の古い人から、
「これは大黒の敵討ちだな・・・」と言われたことがある。
大黒ふ頭が整備されたとき、ふ頭用地等は横浜市の埋立てだったが、外貿ふ頭は、当時の京浜外貿ふ頭公団の整備だった。
外貿公団はコンテナー化に当たって国が作った制度で、それは横浜市と東京都、さらに船会社等の出資でできていて、それは東京のコンテナーふ頭の他、横浜では本牧の他、大黒ふ頭の外貿の不定期船バース、トランパーバースの整備もしたのである。
その時、バースの借り受け社をあらかじめに募集し、ケイヒンも応募して仮契約した。所謂オプオション契約である。
ところがどういう理由からか知らないが、ケイヒンは突然に契約を破棄してきた。契約違反である。
この時、東京から来ていた外貿公団の担当者は裁判に訴えて勝訴し、多額の違約金をケイヒンから取った。
このことをケイヒンはずっと恨みに思っていて、鳥浜町の京浜ふ頭の売却の時に、横浜市をだましたというのだ。
こんな江戸の仇を長崎でのような行為に巻き込まれた私などは、いい迷惑だったわけだ。
ケイヒンは、横浜市だけではなく多数の訴訟案件を抱えていたそうで、実際に私が交渉した時にも、法務担当と言う異常に法律に詳しい弁護士のような人が来た。
だから、それは本当だったと思う。