銀座三原橋のシネパトスは、ヒューマックスシネマの運営であり、ヒューマックスの前身は、恵通企業・ジョイパックで、その前は地球座チェーンだった。
地球座は、台湾人の林氏が始めた映画館チェーンで、新宿の他、渋谷、銀座、恵比寿等にあり、早稲田にもあったが、私が入学する頃は廃屋になっていた。
数年前までは、ストリップ劇場になったいたらしいが。
この林氏は、薬の販売で大成功し、その金で戦後、新宿のムーランルージュも買収した他、地球座チェーンを作り、噂では個々の映画館は、愛人の女性にやらせていたとのことだった。
そして、1970年代に映画が不振となり、地球座もジョイパックグループとして映画館経営の他、洋ピンをはじめ一般の洋画の輸入も始めたが、これはあまり成功しなかったようだ。
そして、映画館を飲食店等が同居する複合ビルに変えて行った。
だが、先代の林社長は、創業者として「映画館経営だけは絶対にやめるな」と言い残したそうである。
それを守って、ヒューマックスシネマとして多くの映画館が今だに経営されているのは、大変嬉しいことである。
映画館はそれ自体は、今どきそう儲かるものではないようだ。しかし、繁華街の中心に映像産業があるというのは、町の賑わいとして相応しいものだと思う。
三原橋のシネパトスは、地下街を全部埋め立てることになっための閉館とのことだが、あの急階段といえ、時代的に見れば仕方ないことであろう。