大統領選挙の混乱で、その国民の知的水準が問題になっているのがアメリカだろう。
私は、約30年前に富士宮市の英語研修施設に行かされた。
3ヶ月間、英語漬けの毎日で、大変に勉強になった。
そこの講師は、アメリカやカナダの若い人たちで、研修のみならずいろいろと話した。
そのときの話題の一つに、高校の数学で微分・積分をやったかがあった。
すると、シカゴ出身のある男は、
「高校で微分・積分をするのは、理科系の大学に行く者だけで、私は文化系だったので、やらなかった」と言った。
「日本では、普通の高校では微分、積分を習うよ」と言って、大いに威張ってやった。
もちろん、微分・積分をやったところで何だと言われればそれまでで、私も憶えていないが。
ただ、微分の無限に接近してゆくという考え方は非常に面白いと思う。
それは、演劇で言えば、鈴木忠司の役者への演出論にもよく似ているように思うのだ。