今日は、ワシントンでの大集会の時、マーチン・ルーサーキングが、有名な「I have a dream 」の演説をした日だが、それを最初に教えてくれたのは、大学1年のとき、東京教育大学から来ておられた入江勇起男先生だった。
入江先生の講義は、「英文学史」で、古代を詳しくやっていてなかなか時代が進まない詳しいものだった。
だがある日、入江先生はこのキング牧師の演説を「素晴らしい英語だ」と絶賛されて、黒板にわざわざ書いたのである。
ご承知のとおり、当時東京教育大学は、筑波への移転で大騒動で、先生は文学部長だったので、
「今日は会議があるので、これで帰ります」と言ったことが多く、私の記憶では前期のみで、後期は別の先生に代わったのは大変残念なことだった。
文学部長として、筑波移転問題には大変ご苦労されたと聞いている。
落第生として、偉そうなことは言えないが、早稲田大学教育学部英語英文学科で、感銘を受けた数少ない先生の一人である。
他は、東大から来ておられて、ハーマン・メルビルの難解な『ベニト・セレーノ』の講読をしてくれたディケンズの翻訳家北川悌二先生と、
名前が思い出せないが『聖書』を教えてくれた相当に高齢な先生である。