小林君と飲む


先週の土曜日、中区で小林君と飲んだ。小林君とは、一度も同じところにいたことはないが、1980年代から一緒に芝居を見たりしてきた。
彼は、私に代わって『ミュージック・マガジン』の演劇評を書いていたこともある。
横浜市では、鶴見区役所の後、教育委員会、経済局や財政局で勤務してきて、この3月末で停年退職になるとのことだ。
ご苦労様でしたと言い、
「これからは、何事も仕事ではなく、遊びですること」を言っておく。

この、「仕事を終えたら、遊びでやる」と言うのは、尊敬する岡田則夫さんの言葉である。
岡田さんは、SP盤を2万枚持っていると言う日本一のコレクターである。
彼は、蒐集のために日本中を歩いていられるが、行くとまず駅前の喫茶店に入る。
職業別電話帳を借り、骨董屋のところを電話してゆく。
そうやってSP盤を持っている店を探して行くのだそうだ。
これは、ネットのある現在では、非効率的なやり方で、あらかじめPCで調べて、直接その店に行けばはるかに能率的である。
だが、それでは少しも面白くなく、失敗や予期せぬ事が起きた方がはるかに面白い。
時間があるのだから、それで良いのだと。
小林君にも、「これからは遊びだよ」と言って別れた。

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