『カラコルム』

昭和31年に公開され、キネマ旬報ベストテン3位に入った長編記録映画。
この京都大学学術探検隊の隊長が木原均博士だとは知らなかったが、映画の前半、アフガニスタンのヒンズクシー地方で、小麦の原種を調査するのが木原博士。
横浜市大の木原研究所の創立者である。

題名のカラコルム地方を探検したのは、人類学班の梅棹忠夫で、これは岩波新書の『モゴール族探検記』という、これも面白い本になっている。
映画は、日映新社の製作で、カメラが重鎮林田重男、イーストマンカラー、当時の言葉で言えば総天然色。
音楽は団伊玖麿との連名になっているが、曲調から判断してほとんどは黛敏郎のものだろう。

映画的には、アフガニスタンのヒンズクシー地方で小麦原種を調査する木原班は地味で、カラコルムでモゴール族を調べるカラコルム班の方が映像的に面白い。
最後の氷河地帯の幻想的な映像などは、スチール写真にもなっていて、素晴らしい。
問題はナレーションで、NHKの今福アナウンサーだが、カラコルムをカラコラム、カブールをカーブルと言っているのは、どうしたことだろうか。当時は、誰もろくに知らなかったと言うことだろうか。
イスラム教徒と寺院を回教徒、回教寺院と言うのは、当時の言い方で仕方ないが。
昭和31年は、テレビも始まっていたが、問題ではなく、日映等が作るニュース映画が全盛だった時代で、この長編ドキュメンタリーもできたのだろう。
今回は、特別に再生したとのことで、DVDのきれいなオリジナルの映像だった。
横浜私立大学舞岡キャンパス

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