やはり違っていた

午前中、屏風ヶ浦に行き、医者に血圧を図ってもらい薬をもらう。ダイエットの成果で、上も120代と最高。

午後は、中央図書館で田村泰次郎の『春婦伝』を読む。
黒澤・谷口の脚本、谷口千吉監督の1949年の『暁の脱走』をCSで見て、最後が気になったからだが、予想どおり、小説と谷口作品は結末の件が違う。
1965年に日活で鈴木清順が作った『春婦伝』のラストの、手榴弾心中の方が原作に忠実。
配役も野川由美子と川地民夫で、小説のいじましいイメージに近く、谷口作品の池部良、山口淑子は、立派過ぎるというべきだろう。
だが、どちらも山口淑子、利根はるえ、若山セツコらの「従軍慰安婦」を、原作では朝鮮人であるのに、日本人に変えている。さらに、谷口作品では、慰安婦ではなく、芸人に変えている。まだ、米軍占領下の商業作品としては、仕方ないところだろう。
原作も、米占領軍の検閲によって、朝鮮人であることは、ぼやかされた表現になっている。
田村泰次郎は、主人公の春美を朝鮮人にすることによって、天皇制を批判しているのだが、この視点は到底映画化できるものではない。

谷口千吉作品の改編は、多分黒澤の考えによるものと思う。
ここにも、黒澤の強い「自己処罰意識」が現れていることを再確認する。

多少、秋風が吹いているようだが、まだまだ暑い。
この暑さは、いったいいつまで続くのだろうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする