昨日のフジテレビは、タモリの『笑っていいとも』の最終回を、まるで国民的行事のように放送した。
32年前、この番組が始る前のタモリは、相当に変な芸人であり、テレビでもまだ東京12チャンネルで『断トツ・タモリの大放送』で過激なネタをやっている危ない人間だった。
それが32年間も続いたのは、やはり逆に時代が変わったからである。
また、タモリが上手いのは、本来の過激な部分は、「笑っていいとも」ではなく、「タモリクラブ」や時々やった「ぶらタモリ」等でやり、「いいとも」では、普通の部分を出していたことだろうと思う。
この番組の終了で象徴されるのは、かつてのアングラ的なサブカルチャーが完全に世の中の主流の一つになったことであろう。
ゲストとして出てきた多数の芸人は、かつてなら到底出られなかった連中ばかりであり、ひどいと言えばひどいが、それが今の芸能である。
戦後、古川緑波が森繁久彌の台頭を苦々しく書いていたが、現在の小粒芸人の跳梁跋扈には苦々しく思う気もしない。
さらに、スタジオアルタの場所・新宿文化の終わりであり、テレフォンショッキングに見られた電話による繋がりが、今やメールに交わられた時に、終わるのは当然でもあろうか。
コメント
訂正
×スタッフが思えません
〇スタッフとしか思えません