昼に食事をしていると、テレビの速報で高倉健死去のニュースが出ていて、
「高倉健って、トラクターの歌の人・・・」と若い二人が言っているので、
「あれは小林旭、でも高倉健も『網走番外地』と『唐獅子牡丹』を歌っている」と言っておく。
夕方、神保町シアターで藤圭子が出ている『盛り場流し唄・新宿の女』を見た後、某居酒屋で飲んでいるとS氏が入ってくるので、一緒に飲む。
彼は、「ここで飲んだ後、家で『網走番外地』を見るつもり」と言っていて、「なにが良いか」との話になる。
私は、勿論『新幹線大爆破』である。
これは封切り時は、「ずうとるび」の映画との併映で見に行かなかったので、二番館に落ちてきた横浜の反町東映で見た。
ここは既になく、スーパーになっているはずだ。
当時、東宝でも『動脈列島』が公開され、動員の成績は、こちらの方が良かったようだが、作品としては『新幹線大爆破』の方がはるかに上だった。
確か、「ラストシーンに泣かない人間がいるだろうか」と川本三郎が書いたはずだが、本当にそうだと思う。
この映画は、新幹線が爆弾によって止められなくなるという発想がすごい。
映画は、モーション・ピクチャーであり、動くことが本質なのだから、このアイディアは最高である。
また、青山八郎の音楽も抒情的で素晴らしい。
監督の佐藤純弥は、他の作品ではあまり感心したことはないが、これだけで日本映画史に残ると言っても大げさではないと思う。
任侠映画では、『昭和残侠伝』シリーズが好きだったが、その理由は、高倉健は、意外にも英語が堪能なようにバタ臭いところがあり、当初東映東京撮影所で佐伯清によって作らてたこのシリーズは、京都での『日本侠客伝』などとは違いドライなこころがあるからだ。
同様の理由で、『網走番外地』も、彼の資質によく合ったシリーズだったと思う。
コメント
そうですね。
やはり、「新幹線大爆破」でしょうね。
あと、「居酒屋兆治」なども思い出のある作品です。