湯川れい子さんが映画に出ていたなどと言うと驚かれるかもしれないが、彼女は最初は女優の卵であり、青俳(青年俳優劇場)にいて何本か映画に出ているのだそうだ。
映画監督今井正との対談では、山本薩夫の『太陽のない街』と今井正の『ここに泉あり』に出ていたそうだ。
『ここに泉あり』には、教師・湯野川和子とあり、山奥の分教場の女教師でお茶を出す役だったらしい。だが、現存するフィルムにそのシーンはない。
この映画のタイトルには、同じく草笛光子の名もあるが、出演シーンはない。岸恵子の台詞として「小野さん(草笛)も東京へ行った」と触れられるだけである。恐らく、完成後長いのでカットされたのだと思う。
1960年代、日活の『涙くん、さよなら』にディスク・ジョッキーとして出てくるのは、ずっと後のことなのである。