「ニワトリと卵」とは・・・

森友学園問題は、いよいよ怪しくなってきたが、籠池理事長の台詞で一つだけ的を得ていたのは、「ニワトリと卵」である。

小学校開設のため大阪府教育委員会に行くと、「土地を確保することが第一」と言われ、近畿財務局に行くと「学校としての認可が必要」と言われたというのだ。

港湾局にいた時、気づいたことの一つが、港湾輸送事業の認可についてだった。認可には土地の確保が必要であり、土地を確保するためには運送事業の認可が必須とのことなのだ。しかも、港湾関連企業が位置する港湾地域には、別に法で「臨港地区規制」というものがあり、港湾関連企業以外が土地を得ることはあり得ないのである。

1980年代当時、横浜港で新規に港湾輸送事業の免許を得たのは、黒猫のヤマトだけだった。ヤマト・インターナショナルの名で、国際宅急便をやっていて、中区錦町に拠点を持っていた。

戦後の日本の港湾の公共ふ頭は、ワンバース・一つの店社(港湾輸送企業)になっていて、これは絶対に動かせないのである。

小泉構造改革流に言えば、既得権益者の利益確保だが、これは実は1938年の近衛内閣時代の「国家総動員法」によるものだというのだから驚く。

すでに日中戦争へと向かっていて、戦争のための兵員、武器等の輸送のために、全国の港湾施設を統一し効率化したのである。

それが、米軍の占領を経て1950年の新たな港湾法の制定以後も、そうした戦前の体制は維持されてきたのである。

では、どのようにしてヤマト・インターナショナルは、錦町の用地を得たのか。方法は簡単で、既成の企業の免許を買って取得したのである。

このような「ニワトリと卵」的な規制は、多くの部門であったのである。小泉・竹中路線以後、どうなったのかは私は知らないが。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 弓子 より:

     森友学園は、結局は更地になるのでしょうか?

    その場合でしたら
    かかわった、建設業者さんたちの支払いは
    どうなるのでしょうか?

    って、わたしが心配しても仕方ないことですが、、、

  2. どうなるかはもちろん分かりませんが、あそこまでできているので、どこかが買うのではないかと思っています。
    8億円値引きの問題はきちんと解明されるべきですが。