ブラジルのリオ・デ・ジャネイロには、トム・ジョビン、つまりアントニオ・カルロス・ジョビンを記念して命名された「トム・ジョビン国際空港」があるそうだ。
今年は、彼が生きていれば80歳になったそうで(1994年に67歳で死んでいる)、それを記念し同空港では、今月には「トム・ジョビン週間」で、空港内でショーも行われるそうだ。
この辺は、いかにブラジルの社会の中で音楽の地位が高いか、を端的に示すものだろう。
日本では、まかり間違っても「美空ひばり空港」ができることは絶対にないのだから。
外国では、ニューヨークのケネディ空港やパリのシャルル・ド・ゴール空港、またインドネシアには、ハッタ・スカルノ空港、その以前はハリム空港(いずれもインドネシア独立の英雄)がジャカルタにあった。
日本は公共施設に個人名を入れることをひどく嫌う。
戦前には、東大安田講堂のように寄贈した人間(言うまでもなく安田善次郎)の名を付けた例もあったが。
もっとも、羽田空港の沖合移転工事が完成したとき、東京都の関連だとして「慎太郎空港」なんて付けられては堪らないけれどね。