総務省、農水省幹部の汚職の実態が明らかになり、その腐敗堕落には呆れる。
第一に重要なのは、政権交代である。
適切に政権交代が行われれば、特定に政党、勢力に結び付くことはなくなるに違いない。
その意味では、今回のみならず、森友、加計学園等の問題が、民主党政権の失敗以後に生じているのは、示唆的である。
国の高級官僚は、こう思っただろう。
「これで当分、民主党政権になることはないので、自民党にごますっておこう」と。
キャリアと言えども、人生は一度しかないので、有利なほうに傾くのは仕方がない。
もう一つは、日本の男の生き方の問題である。
酒等の飲食他、麻雀、ゴルフ、カラオケくらいしか趣味のない日本のサラリーマンの生き方が変わらなければならないと思う。
高校、大学時代の時にでも、きちんと他の趣味、教養を身につけることを経験させることが重要であると思う。
2009年にイギリスに行った時の体験を以下に書く。
『夏の夜の夢』だが、土曜日のマチネーだったので、子どもが多い。
しかも女の子だけではなく、男の子も多いのが驚きである。
日本では、小・中の男の子が芝居を見ることは少ないが、やはりこの世代から演劇、映画等を見せるべきだろう。多分、その辺が日本と西欧のビジネスマンとの教養の差になってしまう。
演出は、グレゴリー・ドーランで、きわめて現代的で、原作のギリシャのアゼンスの4人の若者は現在の世代に、幕間狂言を演じる職人たちも、ロンドンの下層労働者になっていた。
多分、台詞も現代のものに直されているようだった。
グレゴリー・ドーランは、2年前にRSCを率いて来日し池袋の東京芸術劇場で『夏の夜の夢』をやったが、そのときはきわめてオーソドックスな演出だった。だが、本国では前衛的な演出もやるのだろう。
ともかく役者が上手いのが悔しいが、仕方あるまい。
アフリカ系も多いが、イギリスの場合ジャマイカ等の旧植民地出身者は、容易に英国国籍が取れるので、カリビアン系も多いのかもしれない。
新演出だったが、重要なシーンでは日本でもやったが、多数の電飾を下ろしての、幻想的な処理で、大変感動的だった。
最後、隣の席のおばさんに、
「アー・ユー・ハッピー?」ときかれたので、
「スプレンデッド!」と答える。
このように高校でも、芝居を見ることをさせている。こうした教養が、彼らの人生を豊かにし、意義のあるものとすると思うのだ。
仕事だけの人生なんて、実にわびしいではないか。