今回の東日本大地震で、各地で液状化が起きた。
千葉や浦安のは別として、横浜の金沢区で起きたことについて書く。
今回液状化が起きたのは、それ自体は痛ましいことで、被害を受けた方には同情するが、そこは以前は砂浜だったところだと思う。
1960年代中頃、その砂浜を地元漁業組合の「網干場」にするという名目で、そこの魚組が埋立ての申請を出願した。
言うまでもなく、海岸線は国有地なので、本来埋立てなど不可能なのだが、地元漁協の申請と言うことで、なぜか埋立て許可は下り、無事工事は竣工した。
するとその土地は、即日西武鉄道に売却され、西武は住宅地として造成して建売住宅を販売した。
つまり、この埋め立ては、最初から西武がやったもので、地元漁業組合の名前を使ったのである。当時、堤康次郎は、衆議院議員で運輸省に一番顔の聞く議員だったので、こうしたことは容易にできたのだろう。
そして、西武、地元漁業合員も多分相当に儲かったのであろう。
だが、数十年後、その住宅地の真ん中に国有地が入っていて、言わば「不法占拠」して住居が立っていることが判明した。
もともとその砂地には岸壁があり、その両側を埋め立てたので、法的には工作物と言われる国有岸壁は土地となり、国有地上に家があることになっていたのである。
勿論、そのまま何も起こらなければ、誰にもわかりはしなかった。
だが、その住宅地の一部を別の不動産会社が買収し、住宅地を全部を壊してマンション建設を計画し、土地を調べると国有地があったので大変困惑したのである。
「不法占拠」の上に「不法占拠」を重ねることは、いくらなんでも許されない時代になっていたからである。
結論は、国有地と西武不動産所有の土地を交換し、清算処理して無事マンションは建った。
今回液状化が起きたのは、多分その近隣だと思う。
「因果はめぐる」と言うべきか。