1965年、太田博之と太田雅子(梶芽衣子)のダブル太田主演の日活青春映画。
だが、日活青春映画も末期なので、かなり変である。
この少し前の『非行少年・陽の出の叫び』のとき、岡田裕助監督作成の予告編によれば、
「日活得意の異色青春路線」をキャッチ・フレーズにしていたのだが。
この映画をわざわざ録画して見たのは、主役の太田博之君とは、池上小学校、大森4中と、小・中学校が同じだったからで、同じクラスになった事はないが、大変きれいな、本当に外人のような少年だった。
当時、すでに新東宝映画等に出て有名で、今考えると彼は非常に美しかったわりには、なぜか新東宝をはじめ変な作品に出ていて、意外にもマイナーな路線だった。松竹大船だったら、木下惠介監督に気に入られたと思うが、それは彼が映画出演した最後の作品『スリランカ愛と別れ』で実現されたが、時代的に「時すでに遅し」だった。
脚本は池田一朗、監督は堀池清。
広島から、太田博之が東京の渋谷近くの高校に転校してくるが、彼はアパートに一人で住んでいて、その理由は最後でわかる。
二人はある日、夜に会うことを約束するが、太田雅子の母で、幼稚園副園長で夫を尻に敷き、実際は幼稚園を経営している山岡久乃に外出を止められて、約束の時間に行けない。
遅れて行くと博之君はいなくて、前から目を付けられていた不良学生に暴行されてしまう。どこまでやられたのかは、よくわからないが、寸でのところで工事現場の人間に助けられ交番に行く。
彼らの中には、杉山元、また高校の同級生には、ロッキード事件のとき、児玉邸に飛行機で突っ込んだ前野霜一郎らの顔が見える。
すると、警官は、この近くに学校の先生が住んでいると言って、その教師初井言榮のところに連れてゆく。
だが、問題教師の初井は、この事件をPTA会長の高橋とよに告げてしまい、娘の浜川智子が、学校中に言いふらしてしまう。
この辺が少しおかしいが、現在でもそんなものだろうか。
いろいろあるが、最後は映画『青い山脈』のような校内全体の会議になり、そこで太田博之と叔父の内藤武敏は、初井以下の大人の罪悪を暴き、太田博之と太田雅子が性的行為をしていないことを明らかにする。
なぜなら、太田博之は、未亡人となった母親と若い男の情事を目撃したことから、女性嫌悪になり、精神病院にもいた事があるのだからと言う。はっきりとは言っていないが、性的不能なのだから性行為はなかったということなのだろう。
なんとも変な話だった。
チャンネルNECO