甲子園常連校では

日本シリーズは、阪神が4連敗して、ソフトバンクの勝ちで決まってしまった。
いつもどちらが勝っても、4勝3敗にして欲しいと願っている私は残念な結果だった。
そして、やはりキーマンは松田と西岡だった。
広岡達朗は、西岡について「要はお調子者ですよ」と言っており、松田もかなり調子に乗りやすいタイプの選手のようだ。
だが、こういう大試合では、こうした選手の方が力を発揮することが多いのは、自分を過信しているからだと思う。
そのくらいでないと日頃の実力は出せないのである。

さて、最後の西岡の守備妨害でのアウトだが、あれは確信犯的行為だったと思う。
私は大学時代にテレビ東京運動部でアルバイトしたことがあった。
そこに東洋大にいて、高校は高校野球の名門校福井の若狭高校の出で、自身も甲子園に出場したというひじょうにおじさん臭い男がいた。
彼曰く、その大会の前、甲子園出場が決まると、
「地元では町を上げての応援で、提灯行列まであり、実家には高張提灯が出た」そうである。
そうなると絶対に1回戦で負けるわけには行かず、生憎その試合は、後半までリードされていたので、皆がユニフォームをダブダブに着て、デットボールを何個か取ってなんとか勝ったというのだ。

西岡の走塁の際の守備妨害も、甲子園常連校では、古きよき伝統として継承されてきたのではないかと思う。
こうした行為は、野村克也捕手の囁き戦術と同じで、きわめてせこいやり方で、本来良くないことである。
せこいやり方で勝てるのは、まだレベルが低いからだからだと私は思う。
とりあえず、ソフトバンクの日本シリーズ優勝をお祝いしたい。

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