あこぎな母親山田五十鈴が中心の家の4姉妹(扇千景、淡島千景、岩崎加根子、三田佳子)の結婚と幸福の話。
三田は、製薬会社のセールスマン千葉真一と好き合っているが、金がすべての山田は、公認会計士渡辺文雄との結婚をすすめる。
山田は、戦後事業に失敗し、何もしない夫の笠知衆に代わり、娘を金満家たちに嫁がせ家を保持している。
次女淡島千景の夫西村晃からは、仕送りをして貰い、自分は優雅な生活をしている。
この山田の自己中心的な金の亡者ぶりがすごくて笑える。
娘よりきれいでいたいため、夫ともセックスしないのだからすごい。
3女の岩崎は、山田に反発し、駆け落ちして国鉄機関手の南広と一緒になった。
淡島が西村の不貞(愛人はキャバレー女給八代万智子)に家出すると、西村は淡島の着物を送り返してくる。
そのときの山田の台詞。
「嫁に持って行かせた着物しか返してよこさないね」
最後、山田のあまりのやり方に笠は家出し八ヶ岳で自殺しようとする。
山田も改心し、淡島は本当は好きだった気象学者木村功と結ばれ、三田は千葉との結婚を選ぶことで終わる。
長女で丹波哲郎と幸福な生活を送っているのは、何と扇千景議員。
全体としては、家や金の結婚よりも、好き合った同士の恋愛結婚が正しいという昭和30年代の自由主義イデオロギーを鼓舞する作品。
ラピュタ阿佐ヶ谷