フィルム・センターは、「歌謡・ミュージカル映画名作選」で、おおむね喜劇映画である。中川三郎のタップ映画等もあり、是非見なくてはならない。
エノケン主演、山本嘉次郎脚本・監督の名作『ちゃっきり金太』を見るが、正直に言ってそれほど面白くなかった。
多分、舞台の作品をそのまま映画化しているのだろうが、舞台と映画の笑いは違う。隣のおばさんは笑い転げていたが、私は余り笑えなかった。
さらに、今回上映されたのは「総集編」で、これは1937年の「前・後篇」に、1940年の『ざんぎり金太』を加えて再編集したものなのだそうだ。
金太の東海道への逃亡の話が、いつの間にか明治維新の官軍進軍や彰義隊との戦争になってしまう。
多分、舞台では続きものとして上演されたものだろうが、映画で1本にして繋がれると、相当に違和感がある。
実は昔の日本映画では、こうした再編集上映がよく行われた。
また、洋画の上映でも、1日の上映回数の関係から、適当にカットして上映時間を短縮することが随分と行われた。
和田誠さんの話だと、ミュージカル映画で、1曲がまるまるカットされる、などということがあったそうだ。
夕方は、横浜の野毛に行き、大学の先輩と友人と飲む。
先輩は、69歳ずっと独身で、去年から完全に仕事がなくなったそうだ。
友人は、来月離婚するとのことで、正直言って他人事ではない。