日本の撮影監督(2)で、今日からは、特撮の神様・円谷英二。
彼は、元々はカメラマンだったのだ。
『赤道越えて』では、撮影・監督・構成。
1936年の海軍の練習艦の台湾、香港、フィリピン、タイ、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド、さらにフィジーからハワイに至る練習航海の長編記録映画。
制作・録音は日活の名だが、実際は横浜シネマで、海軍の全面的な協力。横浜シネマは現在も神奈川区にあるが、映画制作はせず、フィルムの現像、編集、ダビングをやっている。
編集・解説が映画監督の青地忠三で、国威発揚・大東亜共栄圏賛美がすごい。
また、乗船している朝霞宮、久邇宮への賛辞が現在では全く聞かれない敬語が出てきて呆れる。頭の中で漢字変換しないと意味が分からない。
音楽飯田信夫。
『海軍爆撃隊』は1940年の東宝映画で、中国での爆撃を描く。戦後廃棄され原版はなく、コレクター宅で発見された16ミリを復元したもの。
撮影は三木茂で、円谷特撮の最初だそうだが、実写、ミニチュア、合成やスクリーン・プロセスによる特撮との組み合わせが大変見事。
特に、爆撃後に敵戦闘機との戦闘場面がすごい迫力である。
この2年後、円谷は山本嘉次郎監督の『ハワイ・マレー沖海戦』で大ヒットを飛ばすが、技術的にはすでにこのときに完成されていたわけだ。
音楽が早坂文雄で、東宝に入社して2作目。
フィルム・センター