小泉改革前後映画

先週は、退職祝いの旅行券でロンドンに行った。
芝居を3本見たが、その前に行きの飛行機の機内で日本映画を2本見た。
話題の『おくりびと』と『鉄道屋 ぽっぽや』で、『鉄道員』はもう10年前の作品なのだ。時の経つのは早い。

これは、国鉄の民営化の中で、「改革」について行けず、ついには死にいたる鉄道員・高倉健の物語である。小泉改革の裏には、高倉健の死が横たわっているとは知らなかった。
対して、『おくりびと』は、バブル時代にオーケストラで優雅にチェロを弾いていた本木雅弘が、バブル崩壊で楽団解散となり故郷山形に戻る。
そこで葬儀屋の下働きの「死体の清拭」の業務に就き、再出発する話である。
言わば、「小泉改革」でクビになった失業者が、地道な仕事で再生する話であり、まさに現在の若者の姿だった。

『鉄道員』で、高倉の部下で出世した小林稔侍が、定年後再就職するのが、アルファ・トマムなのは、お笑いである。
そこでは、再就職はバラ色に描かれているが、言うまでもなくトマムは倒産し、再建中である。小林君は、とっくにクビになっているだろう。
それに対し、もし高倉健が生きていたなら、旧国鉄の高額年金で悠々自適な、最高の生活を送っているに違いない。
高倉と小林がじゃれ合うのは、ホモのようで気持ちが悪い。

どちらにも広末涼子が出ているが、いつも「脱力演技」で、全く変わりがないが、こんな程度の演技を許して良いのだろうか。

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