『ブラック・サンデー』

夜は、野球中継もないので、録画したおいたものを見る。

1977年に日本公開予定だったが、爆破予告電話で上映されなかった作品。

監督のジョン・フランケンハマーは、アクション映画が大変上手で、フランスのレジスタンスが、ナチスの美術品の強奪を阻む『大列車作戦』も非常に面白かった。

原作は、『羊たちの沈黙』のトム・ハリスで、非常によくできていて、次ぎ次と場所が変わり、人物が出入りする展開が面白い。

だが、筋は次第にアラブの女性テロリストマルト・ケラーとイスラエルのモサドのロバート・ショーの対決になっていく。

テロリストは、正月のスパーボールで大量殺人を目指し、ベトナムの退役軍人ブルース・ダーンの異常な技術に依拠して実行しようとする。

それは、テレビ中継の気球船(グッドイヤー・タイヤ)から、ダーツ・ライフルをいう特殊な武器で数万発の銃弾を打ち込むものだった。

その意味では、「パニックもの」で、当時『パニック・イン・スタジアム』や『ジェット・ローラー・コースター』など、大群衆に殺人やパニックを起こそうとする作品が沢山あったが、その中では一番良く出来ていると思う。

このパニックものが難しいのは、異常な技術をどこまで実際に行わせるか、群衆のパニックを見せると同時に殺人をやれせずにおけるかだが、ここでは総てを実現して終わらせている。

監督のフランケンハイマーは、名前からして明らかにユダヤ系だが、特にアラブ憎しの表現はなく、公平に描いている。

主演女優のマルト・ケラーは、最近映画では見ないと思ったら、舞台の演出家として活躍しているらしい。

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