『贋作・罪と罰』

野田秀樹作・演出、松たか子、古田新太主演。
ドストエフスキーの『罪と罰』を日本の幕末に置き換えた野田らしい書換え作品。

いつもの野田の劇の常で、意外な設定と野田自身が演じるドタバタで2時間の劇の中、1時間30分を費やす。ここはほとんど意味がなく、観客はじっと笑いながら待つ。
そして、ラスト30分、野田得意の「一人称話体」で観客に呼びかけてくる。
ここで皆は陶酔し、泣いて感動し、劇の中身はどうでもよくなる。
こうした陶酔感は、劇にしかないもので、見たことのない人には分かり難いだろうが。
野田は、唐十郎の正統な後継者である。

主演の松たか子は大変立派。
あそこまで自己を完全に解放し演技させた野田の演出力には感服。
将来の大竹しのぶの挑戦者は、松たか子以外にはいない。

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コメント

  1. NODA・MAP「贋作・罪と罰」。

    今年の芝居納め。
    当日券、もちろん立ち見(笑)で観てきました。
    詳細はコチラ
    一言で言うなら、野田さんワールド全開っ!!!
    なんかねーよく分からないけどスゴイって感じです。
    演出補は知る人ぞ知る高都幸男氏なんですが、
    その高都さんのワークショップでお馴染みの