『帰らざる波止場』

裕次郎、浅丘ルリ子映画に、志村喬が刑事で絡む作品。この後、他社の小林桂樹、桑野みゆきらを迎えてアクション映画の深化を図る路線の始まり。
監督江崎実生、脚本山田信夫、中西隆三。

世界的ジャズ・ピアニストの裕次郎帰国すると、妻(原良子)が何者かに暴行されており、格闘の中で妻を殺してしまい、刑に服す。
出獄後、麻薬ルートを捜査する刑事志村に追われ、大財閥の夫と死別した浅丘と遭遇する。

横浜を大変上手く描いており、ここでも安ホテルの女主人が武智豊子(『拳銃は俺のパスポート』でもホテルの女主人だった)と脇役も豊富。
悪の親分は、金子信雄。

裕次郎の『帰らざる波止場』がピアノの弾き語りで歌われる。
この裕次郎・ルリ子の、歌が絡むムード・アクション路線は、『カサブランカ』のリメーク『夜霧よ今夜も有難う』に結実する。

今回のフィルム・センターの日活アクション映画特集では、なぜかこの名作がない。
いずれの機会で上映されるのだろうか。

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