午後、暖かいので、外へ出て蒔田公園に行った。
入口近くでサクラが1本、ほぼ五分咲きくらいに咲いていた。
ベンチから遠くを見ると、そこにも3本ばかり、白くほころびている木が見えた。
毎年、このように木や花はきちんと季節になると花を咲かせ、葉を付ける。
昔の人は、自然の不思議と力に感動しただろうと思った。
そして、横浜市にいたときの、ある局長の言葉を思い出した。
その人は、俳句と短歌を書いている人で、同時に局長室に沢山の鉢を持ってきて、日々手入れをしている方だった。
特に有能な局長ではなかったと思うが、人は悪くなかったと思う。
あるとき、その鉢植えについて聞いてみた、
「局長は花がお好きなんですか」
と答えは、
「植物は、人を裏切らないからね。犬や猫は、嘘をついたり、裏切ったりするこど、植物は嘘をつかないからね」
へえ、と思い、まさか俺のことを言っているのではないかと思い、後は聞かなかった。
その後、彼は自分の家を建て、その局の係長以上を、邸宅の披露によんだ。
私が、市役所で上司の家に招かれたのは、それが最初で最後だった。
だが、本当に植物は裏切らないのだろうか。
元西武の監督で、名遊撃手だった広岡達朗は、たしか自宅で蘭を育てていたはずだが、広岡もそうだったのだろうか。