早稲田から阿佐ヶ谷へ

早稲田松竹が『聖の青春』と『湯を沸かすほどの熱い愛』をやっていて今日までなので昼過ぎに行くと立見。立見して見るほどの映画か、と思い、カレーを食べた後、地下鉄で阿佐ヶ谷に。会員証の更新があり、『潮騒』は無理だが、『慕情の人』と『めし』は見られるので行く。どちらも映画館で見るのは久しぶり。

1961年の『慕情の人』は、原節子と三橋達也の恋愛劇だが、例によって原は、三橋の死んだ友人の元妻、つまり当時の言葉で言えば未亡人なので、すぐ恋愛できないという足枷が嵌めてあり、さらに元夫の妹の白川由美が割り込んでくる筋書き。原は銀座でスポーツ用品店をやっており、三橋はマネージャーであり、社長と使用人。

サガンの『悲しみよこんにちわ』や原田康子の『挽歌』的な筋が入り込んでいるが、白川由美はきれいだがコケットリーがないので、不適である。久我美子や加賀まり子の役どころだが。さらに白川由美に求婚した画家の滝田祐介も、原節子に惚れる脇筋があり、複雑になるが。

最後は、ブラジルに行く三橋が、戻ってきて必ず原節子と一緒になることが暗示される。これを見てわかるのは、原節子が演じられるのは、もう未亡人くらいしかなかったことで、東宝としても使いようがなかっただろうと思われる。

途中、白川が原を批難する台詞があり、「お姉さんは不潔よ!」というので、これは一瞬、原節子と義兄の熊谷久虎の関係のことかと思ったのは、考えすぎだろうか。

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