テレビで『フラガール』を見た。
話は上手くできているし、役者も良くやっていて面白い。
最近の日本映画では、上々の部類だろう。
だが、常磐炭鉱地域は当時、あんなに貧困だったろうか。
私の知人に、九州佐賀市出身の人がいて、彼の話だと昭和20年代石炭産業は大変な好景気で、会社所有のデパート、映画館があり、炭鉱会社が出す金券が流通し教員の息子だった彼は行けず、とてもうらやましかったそうだ。
昭和35年には三井三池の大争議があるなど、石炭産業は昭和30年代中頃から急速にだめになる。
だが、『フラガール』の炭住には電気洗濯機(冨司純子は盥で洗濯しようとしている)もなく、障子は破れ、畳もボロボロである。
ドラマとしては面白いだろうが、実情とは違うように思う。
昭和20年代の好景気の余波が、当時もまだ残っていたはずだから。