先週、新興埠頭と大黒ふ頭の客船施設を見学して、「公共デベロッパーの力」という言葉を思い出した。
それは、去年横浜の副市長になった荒木田百合がよく言ってことだ。
彼女は、横浜市に入った時、最初は都市計画局のみなとみらい開発担当部だった。
そこの 部長は、小沢恵一氏で、いろいろと意見はあるが、手八丁口八丁の「やり手」だった。
彼は、荒木田によく言っていたという。
「市役所は、いわば公共デベロッパーで、庁内、議会、そして市民の同意を得られれば、どんなことでもできる、こんなにやることが可能な場は他にはない」と。
今回のハンマーヘッドも、民間企業の開発だが、その基は港湾局のデザインである。
公共デベロッパーの力を感じざるをえなかった。
と同時に、思い出したのは、昔記録映画『マナスルに立つ』を見たときの、森繁久彌のナレーションである。
中で、登山して登頂するのは一人だが、「それは人の肩の上に、また人を乗せるようなもので、次々と多くの人がリレーしていくものだ」
規模の大きい開発や事業になれば、一人の人間でできることではなく、多くの人がリレーするものになる。
先週、見学会に参加した港湾局OBは、皆どこかで現在の施設整備の一端を担っている。
そのことは特に名は残らず、自分だけの記憶になっているものだろうが。