1960年代の下着

蔵原惟繕の1962年の映画『憎いあンちくしょう』を見て、「内容的に、また風俗的にも全く古びていないな」と大いに感動したが、一つだけ現在とズレていることがある。
裕次郎、ルリ子がはいている下着のパンツが大きく、だぶついていることである。
多分、当時ではパンツ姿を画面にさらすことだけでも十分に衝撃的だったと思う。
その証拠に、浅丘ルリ子は、自室で一人になると下着姿を鏡に映して、
「てんでいかしちゃてる!」と言うのだから。

この時期の女優の半裸姿、例えば増村保造監督の若尾文子の作品を見ても、セクシーではないと幻滅するのは、唯一パンツが異常に大きくて、今日的に言えば、おばあさんの下着のように見えるところである。

1970年代のポルノ解禁を経て、日本の男女の下着の大きさは随分小さくなった。
これは風俗革命というべきだろうか。

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