野上正義、死去

ネットによれば、男優野上正義氏が、亡くなられたそうだ。
野上正義と言って分かるのは、50代以上の方だろう。
1960年代末から1970年代中頃に、ピンク映画やロマンポルノ映画を見に行くと、3本立ての内、どれかに必ず出ているのが野上正義だった。時には、3本のうち、2本に出ている、などということもあった。

元は、新劇系の俳優だったので、正統派二枚目だが、喜劇的な役も器用にこなした。
私は、1967年に可能かず子主演の映画『濡れた素肌』を見て、彼女の男性遍歴の最後に出てくる男として野上を知った。
これは、家出娘の可能が、浅草のストリッパーとなり、いろいろな男に騙される話だった。
まるで、溝口健二の『西鶴一代女』や増村保造の『でんきくらげ』のような傑作で、監督高木丈二とは誰だと思った。
実は、高木丈二は、黒澤明の『七人の侍』等を製作した、元東宝のプロデューサーなのであった。

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