ダイヤ菊は、小津映画に似ていた

昨日の夕方、茅野で勝ったダイヤ菊が届く。小津安二郎先生が、愛好したという蓼科の酒である。

これは、スキ焼にしようと、肉とネギ、豆腐、カレー粉を買って戻り、すき焼きを作る。

もちろん、カレー粉を入れて。カレー粉を入れたスキ焼は、小津の得意料理で、鎌倉の家に招かれた池部良も食べさせて、閉口したとのこと。

やってみると、たしかにカレーの味と匂いはするが、ピリッとしていて結構上手い。

ダイヤ菊だが、私は日本酒の味についてまったく不案内だが、さらりとしていて余分な匂いと味がない。

まるで小津安二郎映画のようだと言えば、いえる。

俳優の中村伸郎は、小津から「台詞によけいなものを入れず、さらっと言ってくれ、ただし心を込めて・・・」と言われたそうだ。

このダイヤ菊も、さらっとしていて余計なものがない気がした。

もちろん、小津が愛好していた時代と、今の酒の味が同じであろうかどうかは不明だが。

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